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劇場版少女☆歌劇レヴュースタァライトを観てきました

タイトル通り。この記事には劇場版のネタバレが多大に含まれるのでご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

・皆殺しのレヴュー

ばななちゃん様のファンは絶対みてほしい。アニメ版ではわずかにしか出てこなかった、「一つ上のレイヤー」にいるばななちゃん様がこれでもかというほどに見られるので…………

 

大場ななはとっくに舞台の上に乗っていた。

 

皆殺しのレヴューが始まった時点で、すでに「舞台」が開演していると理解していたのは大場ななと天堂真矢だけだったんだろうな。皆がまだオーディションを引きずっている(香子の「しょうもな」に誰もちゃんと言い返さなかったことから自分はそう感じたのですが)ときに、天堂真矢は次の舞台にもう立っていて、大場ななは皆をそこへ引きずり込んだ。スタァである者と舞台を作り上げる者が、「舞台はもう始まっている」と鐘を鳴らすレヴューだったのかな、と思いました。

 

皆殺しを始めるということは、「終わった」スタァライトの演者を殺していくということで、それは他ならぬ大場ななが、幾度となくスタァライトを繰り返してきた大場ななが「次」の舞台への準備を始める運動はないかと感じました。ある意味で(前半に高校生の愛城華恋の出番が比較的少ないのと相まって)裏方としての大場ななの「役割」にかなった演出だったのかな、と思う。彼女が天堂真矢をも凌ぐ実力を持っている事実も含めて、舞台と映画の「開演」にふさわしいレヴューでした。

あともう純粋にばななちゃん様がめちゃくちゃカッコいい。二刀流かっこよすぎるが?!?!?!あとからもう一本が届く演出を提案した方に金一封さしあげてください。ありがとう。

 

・石動双葉と花柳香子の痴話喧嘩

めっちゃくちゃめちゃくちゃおもしろかった。

序盤、ドッシリアスの皆殺しの次がこれなのもふくめてめちゃくちゃ面白かった(あれ……そうだったよな……違ってたらすみません……)

デコトラで来た のふたば姐さんめちゃくちゃイケメンだし幼馴染の痴話喧嘩に挟まれて友情出演してるクロちゃんお疲れさんって感じだった。アニメの方のクロちゃんとふたば姐さんの関係好きだから、そこもちょっとクローズアップあって嬉しかったです。

 

そしてセクシー本堂よ。

あれセクシー本堂っていうんですよね?香子ちゃんの……

あれ、何?いや好きだが?昭和歌謡か?好きだが?めちゃくちゃいいが?かおふた……ふたかお……いや、そういうんじゃない……そういうんじゃないんだけどなんか……

 

すっごいよかったです(諦)

 

ラストの二人のさ、なんかその、アレ、すごくなかった?ポーズっていうか構図っていうか関係性っていうか決着っていうか……すごかったよね。観てください……観ればわかる……。石動双葉が吐露した心情、ちゃんと受け止めてあげてほしい。てか受け止められたんですね。さちあれ。

 

・競演のレヴュー

まひる神。あんたとんでもねえ。あんた、とんでもねえよ!

このまひる神がすごい2021。

アニメ版だけ見てたらさ、ひかりちゃんは急に現れていままで一緒だったかれんちゃんをかっさらっていく存在だったわけでしょ?

幼い日の約束をちゃんと知っているのは視聴者とかれんちゃんとひかりちゃんだけなワケで、それでも視聴者ワイ的には劇場版で色々知るまで「その約束ってそこまでして果たすべきものですか……」ってカンジだったじゃん……(これには12話でどこまで描くべきかみたいな制約とかあると思うし、ちょっと説得力弱いとは思ったけどそれだけでこの作品がダメって訳じゃないス……)

アニメではかれんちゃんとの闘いの中で一応の決着を見せていたけど、なんかこう、視聴者ワイとしてはちょこっと消化不良というか、

「まひるちゃんがイイならそれでイイですけどぉ……モゴモゴ」みたいなところがあったじゃないですか(ワイだけか)。

それが、こうしてこう、爆発する機会があってよかった。演技であれひとさじの真実が含まれるのであれ、まひるちゃんにとって糧となる経験だったならもうそれでいいんや。

それに、まひるちゃんがいろいろ考えて「ひかりちゃんと舞台に立ちたい!」って思うなら視聴者ワイはもうただただ応援するだけ。ひかるちゃんに檄を飛ばして送り出すまひるちゃん、すごく素敵だった。競演のレヴュー、共演のレヴューでもあるのかもしれない。

 

あと全然意図してなかったけどちょうど四年に一度の祭典(ちょっとズレたけど)の年、しかもこの日本でそれが行われているまさにその時にこれを観にきた私(そして同じ劇場で一緒にスタァライトした名も知らぬオタクたち)、タイミングが最高でマジでビビりました。まああっちの方には(穿っているわけではなく)もともとあまり興味がなかったくせにミーハーなこというなという話ですが……。

 

・狩りのレヴュー

終始泣いていた。

星見純那という少女、大場ななという少女の弱さも強さも、ここにあった気がする。泣いちゃった……………………。

まず登場時点で大場ななが格好良すぎる。軍服ナニ なに。狩り、そうなのぉ!?

なんだろ、普通にカッコいいレヴューでしょ?って思うじゃないですか?なんかその中に「そうくるか!」ていう驚きと熱さがあって、ここだけもうなんか……熱くなかったですか?

クライマックスじゃん……いや、大場ななと星見純那という二人の少女にとっては舞台のクライマックスはここだったんだな。愛城華恋を主人公とした物語の大きな流れをみるのではなく、登場人物と言う「個」を見れば、きっとそれぞれのレヴューがそれぞれちゃんとクライマックスだったのだろうと思います。

 

ガルガル大場なな(遺言)

 

なんかさ、道を分かつっていうのは寂しいもんだけど、大場ななが次の舞台を見つけられてよかったです。そして、大場ななの再演に最後に止めを刺したのは星見純那であるという事実。

でっけえ。でっけえよ。

ここほんとめちゃくちゃネタバレなので劇場で観てから読んでほしいんですけど、

星見純那が大場ななの刀を己のきらめきで自分の武器に変えたところ、偉人たちの言葉を力に変えてきたじゅんなちゃんの闘い方のクセってかんじがしてすごくよかった。

そして、何度も立ち上がるじゅんなちゃんに「立ち上がらないで」っていう大場なな、冷徹で非道な軍人を演じていてさえ優しい子なのだなと思う。大場ななであれば演じ切れたはずなのに。

大場なな、アニメも含めて演出上「恐ろしい子」って印象を抱きそうだけど、そのふるまいを見ているとむしろ物語とその紡ぎ手をを守る者という感じがした。劇場版では導く者にも見えたけど。守り導く者、保護者としての大場なな。そんな印象です。

 

狩りのレヴューはめちゃくちゃカッコいいと同時に、じゅんなちゃんが自分の言葉に力を宿し、大場ななが次の舞台を見つける。そんな前向きな最後を見せてくれました。よかったです。

 

・天堂真矢と西條クロディーヌ

天クロ天、クロ天クロ………………わあんないよぉ そうぃぅんじゃないんだけどぉ…………なんか…………………………お幸せに……………………

クロちゃんなにげに面倒見いいわよね。ふたば姐さんとの関係性の時も思ったけど。もうなんかお幸せにだ。

天堂真矢はともすると孤独の中で静かに感情を失っていく、それこそ「器」としてあまりに澄み切ってしまうキャラクターではないかと思うので、天堂真矢を天堂真矢に引き戻してくれる存在がかたわらにいること、視聴者ワイは感謝します。

 

深く印象に残っているのが、真矢さんが「私はいつでもかわいいッ!」ていった場面で、もうなんかそれがすでにめちゃくちゃかわいかったな。かわいいときれいとかっこいいは全部同時に存在しうる。真矢様がそれなので…………………………。

てか真矢様かわいい自覚あったんスか!?so cuteだが!?

天堂真矢と西條クロディーヌはマジでアニメの一話から劇場版までわりとずっとテッペンとライバルだったのがよかった。なんかわっかんねーけど、よかったです。天堂真矢は負けてないし……てか私のなかではクロちゃんも負けてないよ……ご都合で急にレギュレーション変えたキリンの負け。

 

あと多分このレヴューの元ネタ、ファウストすよね……てことは他のレヴューにも元ネタ的なものがあったりするのかな?あるいはこの二人だからこそ現実でも有名な演劇を取り入れたのかな。全然ちがったら恥ずかしだけど多分そうよね……?

いちおうデコトラ(トラック野郎もの(?))、ホラー、昭和の映画っぽい演出とか映像や舞台にまつわるブツをいろいろ入れてきているような感じがするので、その一環としてのファウストかな……?

浅学ゆえファウストちゃんと読んだことない観たことないの民なのでそのうち履修したいメモに入れておきますだ。

 

・神楽ひかりと愛城華恋

劇場版ではこの二人の幼いころ~華恋の子ども時代、ひかりがいない中どう過ごしてきたかを丁寧に描いていて、テレビアニメではちょっともやもやしていた部分も自分的には解消されたかな、という感じです(それはそれとしてまひるちゃんへのテレビ版での扱いには言いたいこともありますが……)

どうしてかれんちゃんとひかりちゃんはそれほどまでに約束を大事にしていたのか?「運命」と言い出したのか?というところがちゃんと察せるようになっているので、突然現れた、何年も別の国にいたはずの幼馴染にあれだけ入れ込む理由も分かるようになっている。

そこ、できればちゃんとアニメで説明してほしかった……いや、でもレヴューの何たるかを説明する(?)だけで多分時間的にいっぱいいっぱいなんよな。レヴューがこういうもんだって受け入れた人だけ、劇場版で「理由」を見届けてくれやということかもしれない。分からんけど。

 

ともかく、劇場版ではふたりのドッカワイイ幼少期がいっぱい見られます。ドッカワイイまじで。上映中、心の中で「ンギィ~~~~~~」てなってましたわよ。

あと多分あれやね。幼馴染の、幼いころとの性格逆転みたいなの、私はめちゃくちゃ弱いんだと思う。ガッツリハマってしまった別コンテンツにもその要素があるけどはちゃめちゃぶっ刺さっているので、「そういうこと」です。

最後のレヴューすごくよかったよ。愛城華恋の再生産。このあたりの描写を見るに、やっぱり皆殺しのレヴューは「古くなった私たちを脱ぎ去っていく」という舞台演出なのではないかと思いました。

 

・愛城華恋

愛城華恋という人間が主人公である理由、劇場版の方が納得できるかもしれないです(多分)

「愛城華恋はまだ『すべて』を燃やし尽くしてはいなかった」ということ。舞台少女たちがすべてを燃やして舞台に立つ、同じ舞台に、ただひとつ「神楽ひかりとの約束」だけを燃料にして立っていた事実が、愛城華恋を主人公たらしめているのでは?と感じました。

だからこそ彼女はひかりがいなくなったことで燃料を失ってしまったんだと思う。けれど、今度こそ思い出も約束も始まりの手紙も何もかも燃料にくべて、ポジション・ゼロへ。

アニメ終盤の、喪失感による「空っぽ」ではなく、舞台が終わった高揚感による「空っぽ」を体験して、愛城華恋と言う舞台少女はようやく次の舞台へ行けるようになったのかもしれない。

愛城華恋と大場なな、物語の鍵となった二人が「次の舞台」を見つけられないでいたのが興味深かった。

 

 

・総合

最初は「概念のかたまり」みたいなものをぶつけられてどうしていいのか分からんかったけど、もうなんかレヴューを見ているだけで楽しくて、心が動いたので、歌劇少女にゃ負けましたよ……。

「観客が望んだ続き」というやつをわりとちゃんと見せてくれたのでよかった。対戦カードとしても「それが見たかったデース!!!」というのを見せてもらえたので……。ほんとはレヴューに限っては誰と誰の共演であれずっと見ていたいんだけど。舞台は終わるからね……。

アニメで決着ついたんか?ほんとに?みたいな部分をけっこう掘り下げてくれたので、わりとワイ視聴者は満足です。他の人のことは分からんが、とにかくカッコいい大場なながいるので劇場で観ても損はしないと思います。

アニメは履修していった方がいい。マジで意味が分からんくなってしまうので。

 

DVD欲しくなっちゃった。狩りのレヴュー何回でも観たいです。

 

あと売店の場所が分からなくてパンフ買えなかったの本当に愚か。

 

おわり

 

 

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